
俳優の永作博美が主演を務める、TBS系火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』(毎週火曜 後10:00)。物語の中心となる“鮨アカデミー”は、毎回印象的な舞台として登場している。実際に調理ができるほど本格的に作り込まれた空間でありながら、どこか温かさも感じさせる――そんな絶妙な空気感は、どのように生まれたのか。今回は、美術プロデューサーの中村綾香さん、美術デザイナーの安川優紀さんに、鮨アカデミーをはじめとするセット制作の裏側について話を聞いた。
セット制作は、まず“鮨アカデミーらしさ”を定義することから始まった。美術チームは都内の複数の寿司店を訪れ、職人の動線や客席の配置、照明の当て方などを徹底的に取材。実際の店舗が持つ「プロの仕事場としての緊張感」と「おもてなしの温かみ」の両方を、ドラマのセットに落とし込むためのヒントを得たという。
本格的な厨房は、水道やガスを実際に使えるよう設計。俳優がリアルに握るシーンを可能にするため、調理台の高さやシンクの位置まで細かく調整した。一方で、居心地の良さを演出するために、木材の種類や色味、間接照明の配置には特にこだわった。美術部は「お客様として入った時にほっとする空間」を目指し、何度も試作を重ねた。
セットの完成後、主演の永作博美をはじめキャストからは「本当にここで働きたいと思える」と好評。監督や撮影スタッフからも、カメラ映えする奥行きと温かみが評価された。中村さんは「美術としてのリアリティと、ドラマの世界観のバランスが鍵だった」と振り返る。
今後も鮨アカデミーは物語の要所で登場し、キャラクターたちの成長や人間関係を映し出す舞台となる。美術部のこだわりが詰まったこの空間が、視聴者にどのような印象を残すのか。ドラマの放送とともに、セットの細部にも注目が集まりそうだ。